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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科46巻10号

1992年10月発行

綜説

ヒト・パピローマウイルス感染症

著者: 北村唯一1

所属機関: 1東京大学分院泌尿器科

ページ範囲:P.819 - P.827

文献概要

 Human papillomavirus(HPV)感染症は,現在までに約70種のタイプが知られている.6型,11型は良性で顕性であり,いわゆる尖圭コンジローマの原因ウイルスであり,Lowrisk groupとされている.これに対して,16型,18型は子宮頸癌と密接な関連があり,臨床的には不顕性の flatcondybloma の原因ウイルスであり,high riskgroup とされている.陰茎のacetowhitelesionを検索すると,flat condylomaが高率に発見され,また男女パートナー間のウイルス型の一致率が高いので,男性器ががHPVの感染源(res-ervoir)となっていると考えられている.潜伏部位としては,第一に亀頭や陰茎皮膚であるが,尿,精液,前立腺なども感染源に擬せられている.しかし,尿,精液,前立腺の関与に関しては今後の研究にまたねばならない.また,陰茎癌のHPV検出率は42%であり,子宮頸癌のそれ(約90%)に比べて低ぐまた発生率も少ない.陰茎癌におけるHPVの関与に関しても,今後の研究課題であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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