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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科46巻11号

1992年10月発行

増刊号特集 泌尿器科医のための臨床超音波マニュアル

1 超音波の原理

著者: 近藤祐司1

所属機関: 1アロカ株式会社第一技術部

ページ範囲:P.7 - P.16

文献概要

1 超音波とは
 超音波とは一般的には人間の耳に聞くことのできない音をさす。と言っても,音の強弱の問題ではなく音程の違いによるものである。つまり極めて音程の高い音あるいは極めて音程の低い音は人間の耳では聞くことができない。しかし聞こえる聞こえないということには個人差があり,超音波の厳密な定義はできないのが実状である。そこで,実用上の定義としては,聞くことを目的としない音とされている。さて,超音波といっても音である限りは通常の音の性質と変わりはない。日常我々が聞いている音とは,空気の振動が鼓膜を刺激したものであり,この場合音の伝達をするもの即ち空気のことを媒質と呼ぶ。媒質は必ずしも空気である必要はなく,水や固体でもかまわない。つまり水や固体の中でも音は伝わる訳である。プールの中でも音は聞こえるし,壁に耳をあてれば固体中を音が伝わることも分かるであろう。
 超音波診断装置では,人間の身体を媒質として音を伝える。つまり,超音波画像とは身体を振動させ身体の中を通る音の変化を映像化したものであると言える。ちなみに,CTは身体の中を通る放射線量の変化を映像化したものであり,MRIでは磁界の変化を映像化したものといえる。放射線被曝は当然人体に悪影響を与えるし,強い磁界が人体に与える影響はいまだはっきりとは解明されていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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