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特集 前立腺癌の新しい治療法
文献概要
進行期前立腺癌に対してはまず内分泌療法が行われるのが一般的である.しかし内分泌療法は根治的ではなくあくまでも姑息的治療法の域を出ない.いったん,内分泌療法抵抗性となった再燃前立腺癌に対してはこれまで種々の治療法が試みられているが,いまだ確立された治療法がないのが現状である.
図1は京都大学泌尿器科で1967年から1990年までの23年間に,初期治療として内分泌療法の行われた273例の治療成績を示している.1979年までの症例と1980年以降の症例に分けて比較した場合,残念ながらまったく成績が向上していないことが明らかである.この事実は内分泌療法の限界を示すとともに,再燃癌に対して我々が今なおほとんど無力であることを間接的に示している.さらに見方を変えれば,内分泌療法を施した前立腺癌の自然史をみてきたともとらえることができよう.
図1は京都大学泌尿器科で1967年から1990年までの23年間に,初期治療として内分泌療法の行われた273例の治療成績を示している.1979年までの症例と1980年以降の症例に分けて比較した場合,残念ながらまったく成績が向上していないことが明らかである.この事実は内分泌療法の限界を示すとともに,再燃癌に対して我々が今なおほとんど無力であることを間接的に示している.さらに見方を変えれば,内分泌療法を施した前立腺癌の自然史をみてきたともとらえることができよう.
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