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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科46巻2号

1992年02月発行

症例

成人にみられた中胚葉性腎腫

著者: 志村哲1 石田裕則2 呉幹純2 内田豊明2 渋谷宗則1

所属機関: 1国立横浜病院泌尿器科 2北里大学病院泌尿器科

ページ範囲:P.139 - P.141

文献概要

 46歳,男性.主訴は無症候性肉眼的血尿.左腎腫瘍の診断のもと左腎摘出術を施行した.摘出腎の割面には境界明瞭な腫瘍を認めた.腫瘍細胞は種々の紡錘状の細胞からなり,血管が豊富で腫瘍細胞核はところどころ大型で異型を示していた.Azan染色で線維系の細胞を示唆され,sudan lll染色は陰性で脂肪性細胞は否定,またvimentin陽性,desmin陰性,S−100蛋白陰性と筋原性,神経原性を否定する中胚葉性腫瘍を示した.以上の所見から悪性度の低い中胚葉性腫瘍と診断した.先天性中胚葉腎腫は小児期の腎腫瘍としてWilms腫瘍と鑑別が重要である,成人例は稀である.良性の腫瘍であり術後2年の現在まで再発,転移の所見は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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