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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科46巻4号

1992年04月発行

特集 前立腺肥大症の薬物療法

Ⅳ.漢方製剤

著者: 朴英哲1 栗田孝1

所属機関: 1近畿大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.308 - P.311

文献概要

はじめに
 前立腺肥大症とは西洋医学における病名であり,漢方ではそれに相当する病名はみられず,症状から淋症,癃症(りゅうしょう)などの記載によく似ていると言われている1).本症の患者にはいわゆる骨盤静脈叢の鬱血や循環障害を意味する「瘀血(おけつ)」が深く関与しており,治療には駆瘀血剤を患者の性質や全身状態を意味する「証」に応じて使い分ける必要があるとされる2)
 近年になり漢方エキス剤が健康保険の適用を受けるようになり,日常臨床で処方する機会も増えたが,われわれ西洋医学に携わる者が患者の「証」を的確に判断するにはあまりにも膨大な努力を必要とする.そこで,ここでは比較的「証」に拘わずに処方してもアンチアンドロゲン剤やα-ブロッカーを凌ぐ有用性が報告されている「八味地黄丸」をとり上げ3),栗田ら4),八竹ら5)が行った近畿大学泌尿器科における臨床試験の成績を中心に文献的考察を進めたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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