文献詳細
綜説
文献概要
精子の形成,成熟は体温より数度低い環境下にて営まれており,陰嚢にはこの温度調節機構が存在する.高温環境が直接生殖細胞を抑制的に作用するものか,あるいは支持細胞のパラクラインシステムを介するかについては今後の分子生物学的手技を駆使した研究成果が待たれる.造精機能が比較的容易に周囲温度環境により推移するものであることから,また非侵襲的な精巣温度測定が可能になった現在,生活指導による低温環境の作成を不妊症の治療に加えることの必要性を強調した.
掲載誌情報