臨床泌尿器科46巻6号

1992年06月発行

症例

尿管に発生した内反性乳頭腫

著者： 桝井眞¹ 正井基之¹ 井坂茂夫¹ 安田耕作¹ 島崎淳¹ 松嵜理²

所属機関： ¹千葉大学医学部泌尿器科学教室 ²千葉県がんセンター病理

ページ範囲：P.500 - P.502

文献概要

　61歳，男性．近医にて偶然に超音波検査で左水腎症が発見され，1990年9月4日当科受診．左逆行性腎盂造影・CTにより左尿管腫瘍と診断し，左腎尿管全摘除．膀胱部分切除術，および左傍大動脈リンパ節・左骨盤内リンパ節郭清術を施行した．摘出した左下部尿管には，大きさ20×20×15mm，灰白色，表面平滑で分葉を示すポリープ状の腫瘤を認めた．病理組織学的に尿管内反性乳頭腫と診断した．術後13ヵ月経過した現在，再発なく生存中である．