文献詳細
講座 臨床医のための免疫学・1
文献概要
免疫学—進歩の歩み
最近の免疫学の進歩は目覚しく,大学卒業後20数年の筆者には隔世の感がある.卒業当時は免疫グロブリンは発見されていたがT細胞,B細胞も区別できない時期で,幼若リンパ芽球が抗体を産生するか否かが問題であった.やがてT細胞,B細胞の表面マーカーが発見され,それぞれの機能が明らかにされ,抗体産生には双方の協同作用が必要であることが判った.その後,T細胞上の抗原認識分子の論争,細胞隔合法による単クローン抗体の開発,T細胞増殖因子(リンフォカイン)の発見,免疫グロブリン遺伝子の再構築の発見,遺伝子工学的手法によるT細胞抗原認識分子の発見,さらには細胞内シグナル伝達分子や,細胞間接着分子の発見と枚挙にいとまがない程の進歩である.この進歩の裏には研究方法,テクノロジーの発展に常に支えられてきている.すなわち,細胞隔合法にはじまり,最近では遺伝子増幅法(polymerase chain reaction, PCR法)などは特記すべきことであるし,臨床研究に欠くことのできない手技である.今回,本誌で企画された「臨床医のための免疫学」シリーズでは,臨床免疫学理解するために必要な手法や用語,さらには最新の情報を紹介する.
本稿では,最近進歩した免疫学に用いられる用語について解説をし,以後のシリーズ理解の一助にした.
最近の免疫学の進歩は目覚しく,大学卒業後20数年の筆者には隔世の感がある.卒業当時は免疫グロブリンは発見されていたがT細胞,B細胞も区別できない時期で,幼若リンパ芽球が抗体を産生するか否かが問題であった.やがてT細胞,B細胞の表面マーカーが発見され,それぞれの機能が明らかにされ,抗体産生には双方の協同作用が必要であることが判った.その後,T細胞上の抗原認識分子の論争,細胞隔合法による単クローン抗体の開発,T細胞増殖因子(リンフォカイン)の発見,免疫グロブリン遺伝子の再構築の発見,遺伝子工学的手法によるT細胞抗原認識分子の発見,さらには細胞内シグナル伝達分子や,細胞間接着分子の発見と枚挙にいとまがない程の進歩である.この進歩の裏には研究方法,テクノロジーの発展に常に支えられてきている.すなわち,細胞隔合法にはじまり,最近では遺伝子増幅法(polymerase chain reaction, PCR法)などは特記すべきことであるし,臨床研究に欠くことのできない手技である.今回,本誌で企画された「臨床医のための免疫学」シリーズでは,臨床免疫学理解するために必要な手法や用語,さらには最新の情報を紹介する.
本稿では,最近進歩した免疫学に用いられる用語について解説をし,以後のシリーズ理解の一助にした.
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