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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科46巻7号

1992年07月発行

原著

無症候性腎細胞癌の臨床的特徴

著者: 高士宗久1 坂田孝雄1 中野洋二郎1 平田能史1 下地敏雄1 三宅弘治1

所属機関: 1名古屋大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.573 - P.576

文献概要

 1980年から1991年までに入院治療を施した腎細胞癌137例のうち,検診・人間ドックにて発見された症例は24例(17%),他疾患検索中に発見された症例は19例(14%)であり,近年,これらの無症状で発見される症例は増加傾向にあった.無症状で発見される症例では症状を有する症例に比べて血中マーカーの異常や微小血尿を呈する頻度は低かった.また無症状で発見された症例には,stage I,浸潤増殖様式α型,淡明細胞亜型の小さい腫瘍が多く見られた.無症状で発見された症例の5年実測生存率は92%であり,症状を有する症例(55%)に比べて予後は有意に良好であった(p<0.05).以上から,無症状の腎細胞癌を発見する新しい方策が今後必要であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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