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講座 臨床医のための免疫学・2
文献概要
各種の生理的活性をもつ蛋白質の一次構造の決定,病因遺伝子の解析と,その異常症の究明,微量な遺伝子の検出による遺伝子診断,さらに遺伝子技術を駆使して大量生産される各種の因子製剤による治療など,分子生物学の応用分野は免疫学のみならず限りなく幅広い.本稿では臨床免疫研究を理解する上での分子遺伝子技術について,ハイブリダイゼーション法,PCR遺伝子増幅法を中心に解説した.免疫反応は抗原の刺激に引き続いて起こる生体内の複雑な反応である.この精巧な免疫現象を解明する目的で,分子遺伝技術を駆使して,多大な努力が払われた.その結果,これまで未知であった免疫現象に関係する多くの謎が解明された.研究の視点は,免疫現象から因子(蛋白質)へ,蛋白質から遺伝子へと深まりつつある.今後,分子遺伝子技術を駆使することにより,研究上および臨床上のより一層の発展が期待されている.
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