臨床泌尿器科46巻8号

1992年08月発行

症例

後腹膜線維化症を伴った尿管癌

著者： 池本慎一¹ 飯盛宏記¹ 西本憲一¹ 早原信行¹ 入谷純光²

所属機関： ¹大阪逓信病院泌尿器科 ²白鷺病院泌尿器科

ページ範囲：P.691 - P.694

文献概要

　45歳，女性．無尿を主訴として受診した．腹部CTにて後腹膜腔に両側尿管，大動静脈を巻き込む軟部腫瘍像を認め後腹膜線維化症と診断し開腹したところ，生検にて悪性後腹膜線維化症と診断された．抗癌剤の投与を行ったが受診後14ヵ月後に死亡した．剖検にて左尿管癌を原発巣とする悪性後腹膜線維化症と判明した．尿管癌のこのような発育形式は極めて稀であると考えられた．