文献詳細
日本泌尿器科臨床史・17
文献概要
五臓六腑に属することもない前立腺という臓器の存在が,日本で,はじめて認識されたのはいつだったのであろうか。山脇東洋は1754年に日本最初の人体解剖を京都所司代処刑者におこなったうえ,その記録を『蔵志』(1759)として出版したが,これには前立腺は描かれておらず,膀胱の内尿道口で下端が終わっている(図1).また本文中にも記載はない.
はじめて前立腺が登場する医書は『解體新書』(1774)である.これは杉田玄白らがオランダ語の『ターヘル・アナトミア』(1734)をもとに編纂したものであるが,このなかには明らかに前立腺が描かれており(図2),次のような本文中の記載がある.
はじめて前立腺が登場する医書は『解體新書』(1774)である.これは杉田玄白らがオランダ語の『ターヘル・アナトミア』(1734)をもとに編纂したものであるが,このなかには明らかに前立腺が描かれており(図2),次のような本文中の記載がある.
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