文献詳細
綜説
文献概要
インフォームドコンセント(IC)は十分に説明された上での同意のことであるが,元来は医療契約上の説明義務として考えられ,法律的概念であった.やがてICには,患者が自己の治療について自己決定することがQOLを高めることになり,倫理的にも意義のあることだと考えられるようになった.ICは特に癌患者に対する病名告知の面で重視されるようになった.告知を信念・主義のために行う人もいるが,医療従事者は患者のQOL向上のための治療効果をあげるために行う1種の医療技術であると考えるのが妥当である.そのためにはICないし告知が科学的に実施されることが必要であり,またそのことは可能である.
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