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綜説
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感染症は,宿主と病原性微生物との相互関係において成立するものであるが,一般に非特異性細菌感染症としての尿路感染症では尿流障害の原因となる尿路局所の基礎疾患の関与が大きい。一方,基礎疾患のない単純性感染症の発症および基礎疾患のある複雑性尿路感染症の慢性化・難治化においては,細菌側因子としての病原性因子の果たす役割も少なくない。今回,宿主と病原細菌との相互関係に関する近年の臨床細菌学的知見をもとに,アドヘジン感染症とバイオフィルム感染症とをその両極とする尿路感染症の新しい病態概念を提唱した。
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