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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科47巻1号

1993年01月発行

画像診断

著明な石灰化を伴った腎嚢胞の1例

著者: 高野歊1 遠山茂1 嶋野松朗1 田中正則2 佐藤達資3

所属機関: 1浪岡町立病院外科 2弘前大学医学部第一内科 3弘前大学医療技術短期大学部衛生技術学科病理学

ページ範囲:P.77 - P.79

文献概要

 患者 56歳,女性。
 主訴 心窩部不快感。
 既往歴 18年前,右側腹部を強打し,同部の疼痛と持続性の肉眼的血尿を認め入院したことがある。
 現病歴 1991年3月下旬,心窩部不快感があって当院内科で精査したところ,石灰化を伴った右腎腫瘤が発見され,手術のため当科を紹介された。
 検査所見 末血液一般・生化学,尿一般検査,腫瘍マーカーはすべて正常であった。
 入院後経過 超音波,CT,血管造影検査などで右腎下極の石灰化腫瘤は大きく,無血管性で,上極を圧迫しており,悪性腫瘍の可能性もあって切除を行った。手術所見では腫瘤は嚢腫状であったが,やや硬く腎との境界は不明瞭で,正常腎は圧排され,悪性腫瘍も疑われたため右腎摘出術を施行した。摘出した嚢胞状腫瘤は8.5×8.0×6.3cmで,内容液は茶褐色,壁土様の内容物もみられた。組織診断では嚢腫壁は著しい線維化,硝子化を来たし,散在性に石灰沈着や骨化がみられ,(被覆)内皮細胞は消失していた。悪性像は観察されなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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