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小さな工夫
ラットを用いた腹腔鏡下手術,特に鉗子操作のトレーニング
著者: 萬谷嘉明1 黒澤尚1
所属機関: 1岩手医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.81 - P.81
文献購入ページに移動ラットでは当然,気腹操作の練習はできないが,乾式トレーニングシステムを用いることにより,少なくとも鉗子操作,すなわち術者が鉗子の両手操作を自由におこなう訓練,腹腔鏡保持者が手術に最適の視野を提供する訓練,助手が手際よく随意に対牽を行える訓練,およびこれらの連係動作を養う訓練が可能である。手技の概略を述べると,ネンブタール腹腔内投与(0.1ml/体重100g)で麻酔し,腹部を剃毛したラットを,乾式トレーニングボックス内(自作の箱でも可)にしっかりと固定する。実際の手術と同様に,術者,腹腔鏡保持者,助手が所定の位置に立ち,トラカールを通してボックス内に腹腔鏡,鉗子類を挿入する。ラットの腹部を切開した後,両側精巣,腸管,胃,両側腎臓,腹部大動脈,下大静脈の順に,剥離,クリッピング,切断,摘出さらに止血などの操作をおこなう(図1)。以上の行程は慣れると約1時間以内に終了でき,場所もあまり必要とせず連日の練習も可能である。
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