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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科47巻11号

1993年10月発行

手術手技 泌尿器科医に役立つ他科領域の手術・10

縫合法—創瘢痕を目立たなくするために

著者: 木下行洋1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学形成外科教室

ページ範囲:P.821 - P.825

文献概要

 手術は皮膚縫合に終わる。したがって,外科医は皮膚縫合を避けることはできず,そのため縫合手技についても習熟しなければならない。幅広い醜い手術瘢痕は患者に精神的苦痛をあたえる。外科医は,皮膚は人体の重要な組織のひとつであることを認識し,目的とする手術の終了後にも手術瘢痕を目立たない細い線状瘢痕にするよう皮膚縫合に努めるべきであろう。
 創瘢痕の幅の拡大を防ぐために創縁の減張を計る必要がある。このためには皮膚組織として最も強い真皮層に糸をかけて(真皮縫合)埋没縫合を行う。真皮縫合により創縁をevertさせ,段違いがないように密着させる。縫合の間隔は6〜10mmで行う。糸の抗張力は6週間は必要とされており,したがって縫合材料は非吸収性で組織反応の少ないナイロン糸がよい。つぎに,皮膚縫合は真皮縫合による創縁の適合を補うために行う。決して強く結紮してはならず創縁を軽く密着させる。縫合糸痕の形成を防ぐためは皮膚縫合の際の緊張を避け,抜糸は術後5〜7日で行う。その後,テープ固定を約3か月間続ける。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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