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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科47巻2号

1993年02月発行

綜説

浸潤性膀胱癌と動注化学療法

著者: 田中啓幹1 古川洋二1

所属機関: 1川崎医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.101 - P.108

文献概要

 浸潤性膀胱癌に対する動注化学療法(IAC)は術前補助療法あるいは膀胱の温存を目的として行われている。抗癌剤は主としてシスプラチンとアドリアマイシンが単剤あるいは併用で投与され,さらに昇圧動注療法,放射線療法が加えられている。奏効度は完全寛解0〜96%,奏効率(完全寛解十部分寛解)36-97%とばらつきがみられるが80%以上の報告が多い。生存率は実測5年で約70%である。IACに特有な副作用,仙骨神経叢障害と局所皮膚障害は重篤なもので2〜13%認められている。膀胱温存の可能性disease-free症例数の比率で見ると14〜90%である。原発巣に対する抗腫瘍効果,生存期間の延長に有効な治療法と言えるが,今後症例と観察期間の積み重ねが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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