臨床泌尿器科47巻2号

1993年02月発行

症例

後腹膜類表皮嚢胞の1例

著者： 平井正孝¹ 増田宏昭² 大田原佳久² 鈴木和雄² 河邉香月³

所属機関： ¹平井医院 ²遠州総合病院泌尿器科 ³浜松医科大学泌尿器科教室

ページ範囲：P.147 - P.149

　後腹膜腔に発生した類表皮嚢胞の1例を経験した。症例は，49歳，女性である。健康診断の超音波断層法で後腹膜腫瘤を疑われ，当科受診。CT，内分泌学的検査などの精査の後，腫瘍摘出術を施行した。摘出標本は，11×7×6cm，重量305gであった。肉眼的には，脂肪組織に囲まれた骨・軟骨が観察された。病理組織学的に類表皮嚢胞と診断された。文献上，本症例は，本邦3例目と考えられた。