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腎細胞癌と鑑別を要した腎盂腫瘍
著者: 島本憲司1 嶋本司1 宮川征男1
所属機関: 1鳥取大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.169 - P.171
文献購入ページに移動主訴 肉眼的血尿。
家族歴 特記すべきことなし。
既往歴 1978年に胆石にて胆嚢摘出術。
現病歴 1992年3月に肉眼的血尿をきたし近医に受診したところ,右腎腫瘍を指摘され精査治療目的にて紹介された。
入院後経過 逆行性腎盂造影では腎盂の一部にわずかな不整像を認めたが,CT,選択性腎動脈造影では腎細胞癌が強く疑われたので,1992年6月4日右根治的腎摘除術の目的にて手術を行った。しかし,術中迅速病理検査で移行上皮癌と診断されたため右腎尿管全摘除術を施行した。病理組織学的に,移行上皮癌,grade 2,Ly−0,V−1,INFβ,pT3,pN0,M0と診断した。術後M-VACによる化学療法を3クール終了し,現在外来にて経過観察中である。
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