文献詳細
画像診断
Bertin腎柱による腎偽腫瘍の1例
著者: 清野耕治1 佐藤正嗣1 徳永英夫1 松坂純一1 佐藤滋1 久保隆1
所属機関: 1岩手医科大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.255 - P.257
文献概要
主訴 食欲不振,発熱。
既往歴 40歳,扁桃腺摘出術。49歳以来慢性関節リウマチで加療中。
家族歴 特記事項なし。
現病歴 1992年4月頃より食欲不振,発熱がみられ近医を受診し,IVPなどの所見より右腎腫瘍が疑われ,当科に紹介された。
入院後経過 肉眼的血尿,腹痛などの症状は認めないが著明な体重減少がみられたため,泌尿器科的検査を行うのと平行して慢性関節リウマチの検索も行った。IVP(図1)では右腎盂の圧排所見を認めるが,RP(図2)では正面,側面とも異常所見はみられなかった。右腎部エコー(図3)では右腎中部から上極に低エコー病変を認めた。腹部単純CT(図4)では右腎に明らかな腫瘤は確認できず,腹部造影CT(図5)では右腎に腎盂に突出するアイソデンシティ腫瘤を認めた。これらの所見および解剖学的位置関係よりBertin腎柱による偽腫瘍と診断した。
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