icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科47巻4号

1993年03月発行

Coffee Break

医師過剰時代

著者: 緒方二郎

ページ範囲:P.29 - P.29

文献概要

 1992年に国勢調査が行われた。日本の人口は122,721,397人で,前回の1986年より2%しか増加していない。一方医師数は1992年には211,972人おり,10万対比171.3人である。医師は毎年ほぼ6000人ずつ増加しているらしいので,この5年間にはおよそ14%も増えていることになる。誰が考えてもこのまま推移すれば医師過剰時代が到来することは目に見えている。1985年に国立公衆衛生院は医学部定員を削減しない場合の医師数の推計を発表している。これによると1992年には10万対比193.5人になるはずであったが,実際には22人ほど抑制された状態になっている。
 ひるがえって,実際に医師数は人口比にしてどの程度が適正なのか定説はない。10万対比190人が限度という主張がある一方,230人までは必要との反論もある。医学教育を受けた日本の優秀な人材は医療に直接携わらなくとも,いろいろな職種での活躍の場はあるし,さらには国外へ雄飛して外国での医療活動に参加する道だって今後は必ず生じてくる。若い医学徒はこのような雑音に惑わされることなく,本分を忠実に実行することが選ばれたもののとる道と考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら