文献詳細
昨日の患者
文献概要
58歳男性。1〜2年来の排尿障害のため来院。前立腺の触診所見は弾性軟で,結節なく中心溝もあり。画像診断でも前立腺肥大症の所見であった。血清の前立腺癌腫瘍マーカーはすべて正常を示した。
そこで前立腺肥大症の治療として酢酸クロロマジノン100mg/日を投与したところ排尿障害は次第に軽減した。しかし,2ヵ月投与後,突然血尿が出現した。内視鏡的には膀胱頸部(7°)の出血が認められた。腰麻下,止血点を電気焼灼したが,その折,念のため経尿道的に前立腺の一部を生検した。生検結果はductal adenocarcinoma of theprostateであった。この種の癌は生検以外に診断方法が少なく,markerも低値のことが多い。酢酸クロロマジノンは前立腺癌にも有効であるので治療には問題は少なかったと考えるが,前立腺肥大症と癌との鑑別には心してかかるべきであることを痛感した。
そこで前立腺肥大症の治療として酢酸クロロマジノン100mg/日を投与したところ排尿障害は次第に軽減した。しかし,2ヵ月投与後,突然血尿が出現した。内視鏡的には膀胱頸部(7°)の出血が認められた。腰麻下,止血点を電気焼灼したが,その折,念のため経尿道的に前立腺の一部を生検した。生検結果はductal adenocarcinoma of theprostateであった。この種の癌は生検以外に診断方法が少なく,markerも低値のことが多い。酢酸クロロマジノンは前立腺癌にも有効であるので治療には問題は少なかったと考えるが,前立腺肥大症と癌との鑑別には心してかかるべきであることを痛感した。
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