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日本泌尿器科臨床史・25
泌尿生殖系臓器名の歴史的変遷(3)
著者: 友吉唯夫1
所属機関: 1滋賀医科大学
ページ範囲:P.348 - P.349
文献購入ページに移動まず『解體新書』(1774)から精巣被膜についての記述を見ると,「膜」という字は出てこないが,次の三つの構造が精巣を包むものとされている。
①薄肉様:挙筋ト名ヅケ,コレ睾丸ヲシテヒラシメ ル
②莢様:能ク睾丸ヲ裹ム
③白色:其ノ属スル所ノ者ヲ裹ム
「莢」は豆類の実を包む外皮(さや)のことであるから,きわめて適切な字であった。後年,鞘膜に変更されるまで莢膜の名で用いられたのである。
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