文献詳細
画像診断
超音波カラードプラ断層法により診断しえた腎動静脈奇形
著者: 木村昇紀1 三馬省二1 平山暁秀1 平尾佳彦1 岡島英五郎1 廣橋伸治2
所属機関: 1奈良県立医科大学泌尿器科学教室 2奈良県立医科大学放射線医学教室
ページ範囲:P.515 - P.517
文献概要
主訴 間歇的無症候性肉眼的血尿。
既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 1990年8月より間歇的に無症候性肉眼的血尿を認めたため,9月10日,当科を受診した。精査を行ったが,血尿の原因は不明であった。1991年4月25日,膀胱タンポナーデの状態となり,膀胱鏡にて右尿管口より凝血塊の排泄が認められた。
血液検査成績 末梢血,血液生化学,止血検査で異常は認められなかった。
治療経過 超音波カラードプラ断層法により右腎動静脈奇形(AVM)と診断された。5月27日,右腎動脈撮影にてAVMを確認した後,無水エタノールにより選択的動脈塞栓術を施行したところ,当初のAVMの栄養血管は完全に塞栓されていたが,別の栄養血管による新たなAVMが出現した。9月25日,残存するAVMに対して,再度選択的動脈塞栓術を施行し,腎AVMの消失が確認された。
術後経過 現在まで血尿の再発はなく,超音波カラードプラ断層法においてもAVMの再開通を示唆する所見は認められていない。
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