icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科47巻9号

1993年08月発行

特集 インポテンス—最近の治療法

4.補助療法による治療(Vacuum constriction deviceを中心に)

著者: 片山喬1 坂井健彦2 水野一郎1 寺田為義3

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部泌尿器科学教室 2現京葉泌尿器クリニック 3現寺田医院

ページ範囲:P.641 - P.645

文献概要

はじめに
 近年penile prosthesisの移植,薬剤の海綿体内注射,血管障害性インポテンスに対する血管手術などの導入により,勃起機能障害に対する治療法は急速な進歩をとげたが,種々の問題点もあり,必ずしも満足できるものとはいい難い。勃起補助具は古くから民間で使用され,陰茎勃起を長びかせ,性交時間を延長させようという願望を満たすための手段として医療とは無関係に行われてきた。しかしこうした方法ではこれまで多くの陰茎損傷例があったと思われる。最近にもわれわれは金属性リングを悪戯で陰茎にはめ抜去不能となり,陰茎の腫脹,疼痛を訴え来院した症例を経験したが,この患者には金属切断器によりリングを切断することが必要で,かつ陰茎皮膚に断裂をみとめ,治癒に若干の時間を要した。陰茎絞扼により陰茎勃起を補助する方法が誤った形で行われれば,陰茎壊死などさらに重大な損傷を起こしかねないことはこうした症例をみても明らかであり,そのうえ尿道損傷を起こす危険もある。
 しかし近年こうした勃起補助具も医学の眼で見直されるようになり,とくに陰圧式器具vacuumconstriction device(以下VCD)は比較的容易に勃起を起こさせ,さらに陰茎根部の絞扼により比較的安全に勃起を継続させることができるので,現在多くの勃起機能障害例の治療に用いられるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら