文献詳細
講座 泌尿器科領域の光学的ME機器・3
文献概要
はじめに
前立腺肥大症(以下,BPH)を前立腺癌(以下,PCA)と比較すると,PCAは病理学的所見に立脚した診断であるが,BPHは良性の前立腺腫大ということだけで,病理学的根拠がないということが全く異なる点である。たしかにBPHは移行領域(Transition Zone)に発生する良性腺腫が主であろうが,それ以外にも筋線維性増殖も存在するため,一枚の切片,プレパラートでBPHを診断することは困難なことが多い。むしろ,BPHというのは,前立腺部尿道の閉塞ないしは膀胱への圧迫による下部尿路症状を現わす臨床的診断と考えた方がよいであろう。
しばしば経験することとして,前立腺は小さくても症状が強い場合もあり,BPHは大きさと症状は必ずしも一致しない。慢性尿閉をきたしているときは腎機能に影響を及ぼしているため,なんらかの治療をただちに行わなければならない。しかし.多くの場合,どの症例にどのような治療が必要なのか,これを決めることは容易ではない。BPHは良性疾患であることを考えれば,症状は重要なファクターといえる。そのため,症状を改善させる手段として,薬物療法や手術が行われてきたが,最近では種々の手技を用いる方法が開発された。それらは前立腺部尿道に何らかの侵襲を加える方式で,筆者らは泌尿器科的インターベンションと呼んでいる。ここでは特に注目されてきたレーザー療法についての概要を述べ,自験例につき発表したい。
前立腺肥大症(以下,BPH)を前立腺癌(以下,PCA)と比較すると,PCAは病理学的所見に立脚した診断であるが,BPHは良性の前立腺腫大ということだけで,病理学的根拠がないということが全く異なる点である。たしかにBPHは移行領域(Transition Zone)に発生する良性腺腫が主であろうが,それ以外にも筋線維性増殖も存在するため,一枚の切片,プレパラートでBPHを診断することは困難なことが多い。むしろ,BPHというのは,前立腺部尿道の閉塞ないしは膀胱への圧迫による下部尿路症状を現わす臨床的診断と考えた方がよいであろう。
しばしば経験することとして,前立腺は小さくても症状が強い場合もあり,BPHは大きさと症状は必ずしも一致しない。慢性尿閉をきたしているときは腎機能に影響を及ぼしているため,なんらかの治療をただちに行わなければならない。しかし.多くの場合,どの症例にどのような治療が必要なのか,これを決めることは容易ではない。BPHは良性疾患であることを考えれば,症状は重要なファクターといえる。そのため,症状を改善させる手段として,薬物療法や手術が行われてきたが,最近では種々の手技を用いる方法が開発された。それらは前立腺部尿道に何らかの侵襲を加える方式で,筆者らは泌尿器科的インターベンションと呼んでいる。ここでは特に注目されてきたレーザー療法についての概要を述べ,自験例につき発表したい。
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