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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻10号

1994年09月発行

症例

硝酸銀腎盂注入により重篤な合併症を呈した1例

著者: 鈴木正泰1 黒田淳1 増田富士男2 鈴木博雄2 鈴木英訓3 小寺重行3

所属機関: 1星総合病院泌尿科器科 2東京慈恵医科大学第3病院泌尿器科 3東京慈恵会医科大学柏病院泌尿器科

ページ範囲:P.757 - P.760

文献概要

 18歳の女性が,肉眼的血尿を主訴に受診した。膀胱鏡で右血性尿線を認める以外,各種検査で異常なく,特発性腎出血と診断した。入院の上,0.25%硝酸銀腎盂注入を行ったところ,高熱を認め,KUB,CTで腎盂尿管にX線不透過の沈着物を認めた。腎瘻を造設すると解熱したが,その後出血を繰り返したため,腐食によると思われる血管瘻を,経動脈的塞栓術で止血した。銀注6週目の順行性腎盂造影で,腎盂尿管移行部の狭窄を認め,5か月後の排泄性尿路造影では,右腎の萎縮が著明であった。なお,パッチテストで硝酸銀に対するアレルギーが疑われた。硝酸銀の尿路注入による重篤な副作用は,過去4例の報告がみられるのみである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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