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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻12号

1994年11月発行

手術手技 基本的な手術・7

コメント・1

著者: 松島正浩1

所属機関: 1東邦大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.919 - P.920

文献概要

 全国膀胱癌患者登録調査報告,第9号,1990年症例に目を通してみると,全症例数は2,798名であり,この症例の原発巣に対する手術は,TUC・TUR-BtとSVRで約70%を占めている。これはいわゆるlow grade low malignancyの表在性乳頭状膀胱腫瘍に対する主な治療法と思える。他方,浸潤性膀胱腫瘍に対する手術療法は,単純全摘4.2%,根治的全摘15.8%,骨盤内臓器全摘0.3%で,全症例の約20%である。この数字は1982年の第1号調査報告と比べてみるとTUR.TUR-BtとSVRはほぼ70%で同じである。浸潤性膀胱腫瘍にに対する手術法の比率にも大差はないが,単純全摘に対する根治的全摘の比率が1.3から3.9と約3倍に増えている。浸潤性膀胱腫瘍,特に若年層に対する根治療法のメインは膀胱全摘と考えられる。上田先生の「膀胱全摘除術」は手術手技を具体的にわかりやすく述べられており,これから膀胱全摘除術を行う泌尿器科医にとって有用であると思います。上田先生の手術手技と少し異なる筆者の手術手技を述べさせて頂きます。
 体位は臍部と恥骨間を開大するため手術台をその中央で屈曲させるhyperextended supine位で,下腹部正中で臍部上方で左傍正中切開する。腹部内臓器の触診を行う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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