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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻13号

1994年12月発行

特集 尿路結石症の再発予防法

カルシウム含有結石予防のための食事療法

著者: 伊藤晴夫1

所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院泌尿器科

ページ範囲:P.1007 - P.1014

文献概要

はじめに
 腎結石の約8割はカルシウム含有結石であり,これにはシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムとがある。このなかでも前者を主成分とするものが多い。後者は腎尿細管性酸血症1)や緑内障に対するダイアモックス2)投与時など,尿がアルカリ性に傾くときに形成される結石の主成分であるが,通常はシュウ酸カルシウムやリン酸マグネシウムアンモニウムと混在している。したがって,ここではシュウ酸カルシウム結石の食事療法について述べる。
 シュウ酸カルシウム結石の成因はシスチン結石3)やリン酸マグネシウムアンモニウム結石の場合と異なり複雑である(図1)4)。結石の素材となる溶質,カルシウムとシュウ酸が尿中で過飽和の状態となると結晶核が形成され,これが成長ないし凝集してゆき結石が形成される。しかし,尿中には結晶成長・凝集に対する抑制物質が含まれている。これより,結石形成は尿中の溶質濃度と抑制物質とのかねあいで決まる。そこで,まずⅠ)シュウ酸カルシウムの過飽和状態に関して,次いでⅡ)結晶核形成,およびⅢ)尿中の抑制物質に関する食事療法について記したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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