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綜説
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米国の医療費と医療技術の水凖が世界一なのは急牲(病院)医療だけである。逆に慢牲透析医療に関しては,米国の患者の生存率は先進国中もっとも低く,逆に日本が世界一高い。この最大の理由は,米国では,メディケア給付の透析医療が技術料とダイアライザーを含んだ定額払い制で,しかもその支払い水準が長期間凍結・引き下げられたためである。現在の米国の1回当たり透析料は日本より4割も低い。そのため,米国では透析施設職員の削減と看護婦から無資格技術員への代替,透析時間の短縮,ダイアライザーの再使用等,透析医療の構造・プロセスの水準低下が生じ,それが治療効果の低下をもたらしたと考えられる。
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