文献詳細
画像診断
後腹膜に血腫を形成した褐色細胞腫
著者: 野口純男1 穂坂正彦1 竹林茂生2
所属機関: 1横浜市立大学泌尿器科 2横浜市立港湾病院放射線科
ページ範囲:P.257 - P.258
文献概要
主訴 右上腹部痛,冷汗,動悸。
現病歴 1989年頃より時々発作的に動悸,冷汗,頭痛があった。1991年5月14日,突然,右上腹部痛出現した。入院時顔面蒼白,四肢冷感あり,右上腹部に著明な圧痛があり,腸音は低下していた。血圧は300/114mmHg,脈拍数は124/分と亢進していた。
緊急血液検査にてHCT.36%と出血を疑い各種面像診断が施行された。
検査所見 BUN 18mg/ml,クレアチニン1.9mg/ml,乳酸脱水素酵素811mμ/mlであり,後日報告された血中アドレナリン値63.7ng/m1(正常値は0.12以下),ノルアドレナリン値29.0ng/ml(正常値は0.05以下)であり,褐色細胞腫と考えられた。高血圧クリーゼのためPhentramine 5mgを経静脈的に投与したところ最高血圧は80mmHgまで下降した。
掲載誌情報