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綜説
文献概要
20年前ストーマ医療の後進国であったわが国は,以後急速な進歩発展をとげ,今やその先進国への足掛りをつかもうとしている。この進歩は,医師・看護婦間の極めて良好な協力体制が初期の段階で確立されたこと,ならびにストーマ医療をストーマリハビリテーションという「障害の医学」と規定し,医師・看護婦および他の関連職種が幅広く参加できる基盤が形成されたことによりなされたものである。さらに近年のポリマー工学技術の進歩は皮膚保護剤と呼ばれる複合ポリマー製装具の開発を促し,これによってストーマ管理が飛躍的に進歩した。このようなわが国のストーマ医療発展の軌跡は,現在この分野が発展途上にある諸外国に対し,ストーマ医療のあり方を示唆する好例になり得ると思われる。
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