臨床泌尿器科48巻6号

1994年05月発行

症例

内腸骨動脈瘤により排尿困難を来たした1例

著者： 北島正一¹ 西沢理¹ 原田忠¹ 清水世紀² 松川秀樹² 佐藤護³

所属機関： ¹秋田大学医学部泌尿器科 ²由利組合総合病院泌尿器科 ³由利組合総合病院心臓血管外科

ページ範囲：P.425 - P.427

文献概要

　70歳，男性。腹部膨満感，頻尿，排尿困難が出現したため当科を受診した。前立腺は触診上鶏卵大であった。精査の結果，両側内腸骨動脈瘤による膀胱頸部の偏位による排尿困難および左尿管の管外性閉塞による左水腎症と診断した。動脈瘤摘出術，Y型人工血管移植術を施行し，術後経過は良好であった。両側内腸骨動脈瘤による膀胱頸部の偏位により排尿困難，および尿管の管外性閉塞により水腎症を来たす症例はきわめて稀である。