icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻7号

1994年06月発行

講座 泌尿器科医に必要な薬理学の知識・6

抗微生物薬

著者: 嶋田甚五郎12

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学微生物学教室 2聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター

ページ範囲:P.479 - P.485

文献概要

はじめに
 薬理学とは"薬と生体との相互作用の結果生ずる現象を研究する科学である"と理解されている。周知のごとく,抗微生物薬は起炎微生物の殺滅・発育阻止を目的に開発された薬であり,元来感染宿主であるヒトに薬理作用を全く示すことなく,その目的を果たしうる薬,すなわち選択毒性selective toxicityが無限に高い薬をもって最良とする。このような理念のもとに開発された抗微生物薬はおよそ150薬にも及ぶが,その理念を完全に全うした抗微生物薬は今日のところなく,適正抗微生物薬療法を施行するに当たって,その抗菌作用のみならず,薬理学的知識も必須になってくる。
 すでに述べたごとく,抗微生物薬の使用目的は起炎微生物の殺滅・発育阻止である。したがって,抗菌力が強く,宿主への薬理作用が弱くかつ感染病巣への移行性のよいことが,抗微生物薬の必須条件であり,その薬理学の中心は薬物動態phar-macokineticsを知ることが主となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら