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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻8号

1994年07月発行

特集 新しい自律神経機能検査と泌尿器科領域への応用

最近の膀胱・生殖器の神経生理学的検査法

著者: 河谷正仁1 能登宏光2

所属機関: 1秋田大学第2生理学教室 2秋田大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.561 - P.567

文献概要

はじめに
 排尿機能とは膀胱での尿貯留(蓄尿)とその周期的な排出(排尿)であり,自律神経と体性神経の両方の支配下で行われている。近年の神経生理学的研究から,排尿反射は単なる脊髄反射ではなく,脳幹部の橋排尿中枢を経由する長経路の反射であることが明らかとなった1,2)。橋排尿中枢は前頭葉を初め脳内各部位の調節作用を受けており2),これら神経経路のどこかに障害があると排尿異常を来たす。一方,勃起に関する神経支配も脊髄や末梢では排尿とほとんど同じ神経を介して行われている。
 排尿機能評価は膀胱内圧曲線や外尿道的括約筋筋電図測定といったいわゆるurodynamic studyにより,勃起機能評価は陰茎周径増大変化測定(penile tumescence monitoring)や陰茎硬度測定(penile rigidity curve)などにより行われている。しかし,機能障害の原因となる神経病変部位を詳細に検討するには,末梢神経伝導速度や誘発電位測定などの神経生理学的検査が必要となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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