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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻8号

1994年07月発行

原著

初発表在性膀胱癌に対する制癌剤膀胱内注入療法の再発予防効果

著者: 荻原雅彦1 相川健1 石橋啓1 入澤千晴1 白岩康夫1 小関清夫2

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科学教室 2米沢市立病院泌尿器科

ページ範囲:P.603 - P.608

文献概要

 当科における過去1O年間の初発表在性膀胱癌59例を,遡及的に解析した。無処置群(13例),アドリアマイシン注入群(15例),マイトマイシンC注入群(8例),(2″R)-4′-O-テトラヒドロピラニルアドリアマイシン(THP-ADM)注入群(20例)の初回再発率および平均再発期間は,それぞれ61.5%,11.3か月,53.3%,14.3か月,37.5%,16.3か月,15.O%,28.7か月であった。Kaplan-Meier法による実測非再発率は,THP-ADM群が無処置群に比し有意に高かった。再発例の検討で,多発性腫瘍が単発性に比し有意に多く再発しており,腫瘍数が初回再発の危険因子として重要であると考えられた。制癌剤感受性試験を施行した14例では,症例間で感受性に大きな差を認め,感受性も高いと判定された制癌剤による治療成績は極めて良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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