文献詳細
学会印象記
第89回米国泌尿器科学会(AUA)
著者: 清田浩12 伊藤貴章3 塚本泰司4
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科教室 2現 富士市立中央病院泌尿器科 3カリフォルニア大学サンディエゴ 4札幌医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.619 - P.621
文献概要
前立腺癌は,米国男性の癌死の上位を占め,依然として増加傾向にある。そして,その腫瘍マーカーであるPSAが世界的に普及していること,また,より感度の高い測定キットが普及しつつあることから,早期の前立腺癌の診断あるいは前立腺全摘後の再発を早期に発見するための有力な武器となっており,ここ数年本学会のトピックスを独占しているといっても過言ではない。今回はPSAを中心とした診断に関する目新しい報告はなかったようであるが,米国における医療費の増大と,それに対するクリントン大統領の医療保健制度を背景としたためか,前立腺癌の診断と治療をめぐる医療経済効率に関する報告が多く,私はとくに16日に行われた"To treat or not totreat"というパネルディスカッションを興味深く聞いた。
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