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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科48巻9号

1994年08月発行

講座 泌尿器科領域の光学的ME機器・2

レーザーによる尿路結石の治療

著者: 馬場志郎1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.667 - P.671

文献概要

レーザー砕石術の位置付け
 体外衝撃波砕石術(ESWL)はその低侵襲性のゆえにまたたくうちに1980年代前半に腎結石の治療の第一選択肢となって現在に至っている。ESWLの腎結石に対する破砕効果を左右する最大の因子は結石の衝撃波に対する脆弱性にある。しかし尿管結石では"硬さ"のみならず嵌頓の程度が砕石成功率に影響を与えるために長期間嵌頓した尿管結石ではESWLの成功率が顕著に低下する。この原因は尿管結石では表面の破片が散逸できないために結石中心部に向かうべき衝撃波を吸収してしまうためであると考えられている。したがって多くの尿管結石症例が尿管鏡下砕石術の適応となる。砕石には超音波砕石プローブあるいは電気水圧衝撃波プローブが使用できるが前者は硬性尿管鏡のみに使用が限定され,また後者は尿管損傷を起こしやすい欠点がある。レーザーは2F以下の柔軟性に富む導光ファイバーによりエネルギーを伝えることが可能で,粘膜損傷はあっても軽度で細径尿管鏡が利用できる利点があり,その実用性と安全性から経尿道的尿管砕石術(TUL)での最適な砕石手段と言うことができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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