臨床泌尿器科48巻9号

1994年08月発行

症例

前立腺小細胞癌

著者： 石原八十士¹ 笠原敏男¹ 冨士幸蔵¹ 片岡肇一¹ 吉田英機¹ 太田秀一²

所属機関： ¹昭和大学医学部泌尿器科学教室 ²昭和大学医学部第二病理学教室

ページ範囲：P.683 - P.686

　前立腺小細胞癌は，きわめてまれな腫瘍であり，本邦では数例の報告をみるにすぎない。今回筆者らはその1例を経験したので報告する。
　某医にて前立腺癌（中分化腺癌）と診断され，内分泌療法を受けた66歳の男性が，排尿困難を主訴に受診。諸検査にて前立腺小細胞癌およびそのリンパ節，肝，骨転移の診断。シスプラチン，エトポシドによる化学療法で原発巣，肝転移巣は著明に縮小し，治療前，高値を示した血中CEA, NSEも著明に低下した。