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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻11号

1995年10月発行

綜説

尿路結石症における基礎的研究の進歩

著者: 伊藤晴夫1

所属機関: 1帝京大学市原病院泌尿器科

ページ範囲:P.809 - P.819

文献概要

 カルシウム結石形成の危険因子として尿中蓚酸が最も重要であることが分かってきた。したがって,結石再発防止のためには尿中蓚酸を減少させることが大切である。カルシウム摂取の増加,脂肪摂取の減少が有効と考えられる。この他に,腸管中の蓚酸分解菌を増やすことが有効である可能性がある。蓚酸カルシウム結晶の成長を抑制する尿中の高分子物質としては,ネフロカルシン,酸性ムコ多糖体,タムーホースフォールムコ蛋白などが知られているが,最近,クリスタルマトリックス蛋白も報告された。これらの物質は,同時に,マトリックス中に取り込まれることより,促進物質として働くことも考えられる。これらは一元的に説明可能かもしれない。結石形成の始まりは尿細管管腔内あるいは尿細管細胞内であるとの2説がある。前者では結晶が尿細管上皮に付着することが前提となる。最近提出されたオステオポンチンーカルブロテクチン説は後者を支持する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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