文献詳細
綜説
文献概要
尿失禁,頻尿は直接生命に危険を及ぼすものではないが,著しく社会生活を妨げ,精神的にも影響を与えるものである。高齢者における脳血管障害,痴呆等に伴う尿失禁にたいする関心が高まるとともに,尿失禁,頻尿は小児から成人に至るまで幅広い世代に共通した課題として認識され,その対策が求められている。不安定膀胱は明らかな神経障害が認められないにもかかわらず,膀胱(排尿筋)の不随意的な収縮を生じる状態の総称であり,神経因性の膀胱機能障害とともに尿失禁,頻尿の元凶として注目されている。基礎疾患との関連から閉塞性不安定膀胱,心因性不安定膀胱,特発性不安定膀胱の3つに分類し,その病態に関する最近の報告をまとめるとともに,診断に重要な排尿機能検査法について述べた。
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