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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻2号

1995年02月発行

文献概要

セミナー 臨床医のための分子生物学—期待される臨床医学への応用・1

染色体の構造と遺伝子の発現制御

著者: 清水信義1

所属機関: 1慶應義塾大学・分子生物学

ページ範囲:P.122 - P.127

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はじめに
 遺伝子はDNAであり,Watson-Crickの二重ラセン構造をなしている。そのサイズはさまざまで,1000塩基対(bp)程度の小さなものから100万bpに及ぶ巨大な遺伝子まで知られている。ヒトの遺伝子は約10万種類と推定されているが,細胞内では核の46本の長大な直線状の染色体DNAを構成している。染色体DNAのサイズは5千万bpから2億5千万bpと算定されているから各遺伝子はその極めて小さな部分(断片)を占めていることになる。染色体は細胞分裂の周期とともに構造変換し,複製されて娘細胞に分配される。一方,ミトコンドリアには小さな環状DNAがあり,特有の遺伝子が存在している。遺伝子発現とはこれらの多数の遺伝子からmRNAが転写されタンパク質に翻訳される過程であるが,細胞内では限られた種類の遺伝子が必要なタイミングでスイッチオンされるような精妙な制御を受けている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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