icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻3号

1995年03月発行

手術手技 基本的な手術・11

コメント・2

著者: 松浦健1

所属機関: 1大阪逓信病院泌尿器科

ページ範囲:P.200 - P.201

文献概要

 前立腺肥大症の観血手術は,光学機器や切除鏡の改良,テレビモニターシステムの導入,熟達した術者の増加などにより,ほとんどの症例で経尿道的切除術が行われ,開放手術の頻度は低下した。恥骨後式前立腺摘除術は直視下で確実に尿道切断や止血操作が行えるため,Millinにより報告されて以来(Lancet2:693,1945)それまでの視野がやや悪い恥骨上式摘除術や手技が複雑な会陰式摘除術に代わって広く受け入れられ,わが国でも開放手術のうちでは一般的に行われている手術と推察できる。最も泌尿器科らしい手術の一つとして教育を受けた者にとって,症例数が減少したのは少し寂しく思われるが,腺腫の大きい症例,股関節拘縮例,鼠径ヘルニア合併例など適応を考える症例がなくなったわけではない。われわれは50g以上の腺腫では本術式も考慮するし,教育的観点からも,膀胱全摘術,前立腺全摘術を習得していく過程で,最も基本的な泌尿器科手術の一つとして習熟しておくべき術式である。
 著者らは恥骨後式前立腺摘除術の要点を的確かつ明解に述べておられ,初心者にとって非常に参考になることは言うまでもなく,経験者にも役立つ記述が多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら