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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻4号

1995年03月発行

増刊号特集 泌尿器科病棟マニュアル—ベッドサイドの検査と処置・私はこうしている

泌尿器科診療とインフォームド・コンセント

著者: 小松秀樹1

所属機関: 1山梨医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.7 - P.11

文献概要

1 インフォームド・コンセントの意味
 インフォームド・コンセントは現代の医療における医師と患者の関係を表わすキーワードである.近年,マスコミでもっとも頻繁に用いられる用語の一つである。医師は患者に病気について十分な報告を提供する。医師はあくまでも専門知識を有する助言者である。治療方針などについては,可能ならば,いくつかのメニューを提示し,場合によりそのうちの一つを推薦する。最終的に,その中から一つの方針を選択するのはあくまで患者本人である。
 これは,政治家と官僚の関係に多少似ている面もある。政治家が決定の主体であろうとしても,持っている情報量に圧倒的な差があり,一見,政治家が決定しているように見えても,実体は異なる場合が多い。あるいは政治家が決定しているのだが,決定した政治家が自分が決定したという意識を持てないことがある。患者と医師の関係でも同様で,基本的に双方の考えの食い違いが生じ易い構造になっている。食い違いがあると,治療の結果が思わしくない場合,医療過誤がなくても,患者と医師双方にとって不毛な紛争が発生しやすい。したがって,侵襲を加えることの多いわれわれ外科医がこの問題を考える際には,倫理的に正しい患者と医師の関係を考えること以上に,同意を得るための技術的側面が重要となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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