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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻4号

1995年03月発行

文献概要

増刊号特集 泌尿器科病棟マニュアル—ベッドサイドの検査と処置・私はこうしている ベッドサイドトラブル対処法—こんなサインを見逃すな

肺塞栓

著者: 長谷川道彦1 藤岡知昭1

所属機関: 1岩手医科大学泌尿器科学講座

ページ範囲:P.129 - P.131

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 肺塞栓症(pulmonary Embolism)は,院内突然死のうち最も見逃されやすい疾患の一つである。その発生は,米国において年間63万人とされており,本邦でも近年増加傾向にある。本症が発症した場合,その11%は,1時間以内に死亡,また本症による死亡患者の50〜70%は剖検後に初めて肺塞栓と診断されていることより,突然の発生を認めた場合,早期診断,治療が要求される。胸痛,呼吸困難,血痰が古典的三徴とされているが,それ以外にも症状は多彩である。術後呼吸困難が生じた場合,特に深部血栓症の既往を有する症例や危険因子を有する患者では本症を想起する必要があり,肺塞栓を疑った場合,早期に酸素吸入およびヘパリン投与を開始した上で確定診断,血栓溶解療法との段階を踏んだ対処により救命できるものと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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