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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻4号

1995年03月発行

Coffee break

"たかが尿失禁,されど尿失禁"

著者: 横山英二

ページ範囲:P.173 - P.173

文献概要

 私は昭和60年頃までは,女性の腹圧性尿失禁に興味はなかった。時にはMMK法も行ったが,多くは"いんちきKegel法"を簡単に説明しただけでお茶を濁していた。その後,高名なN大学のK先生,別のK先生,C協会のN女史たちに触発されて,尿失禁全般,特に腹圧性尿失禁に取り組むようになった。K-K先生にはStamey法も教えて戴いた。また多くの患者さんからもたくさんのことを学んだ。
 "尿失禁は結局,心(精神)の問題に帰結する"ということもそのうちの1つであった。相手は神経障害でも,結石でも,癌でもない。ただ膀胱頸部が数cm下がっただけのたかが尿失禁である。しかし,彼女たちの悩みは大きい。たとえ,3人に1人は自分も同じと知らされても,「あーよかった」とはならない。困るから,不便だから,不愉快だから,そして恥ずかしいからである。尿失禁のために自殺を企てた数人にも出会った。幸い死ねずに(?)来院したが,人によってはQOLなどという言葉では計り知れない深刻な問題なのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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