icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻4号

1995年03月発行

Coffee break

再び泌尿器腹腔鏡手術について思うこと

著者: 松田公志

ページ範囲:P.186 - P.186

文献概要

 骨盤リンパ節郭清術で華々しく開幕した泌尿器腹腔鏡手術は,いま,少し曲がり角にきているように感じる。静脈瘤,腎摘,副腎などさまざまな術式が開発されたが,従来の開放手術と比べて真の意味でminimally invasive surgeryと言えるかどうか,必ずしも明らかではない。St.Louisで開催された第12回世界Endourology・ESWL学会において会長のClayman教授は,手術時間,Cost,合併症などをすべて含めて考慮すれば,開放手術に対して‘Clear Winner’といえるのは,現時点では,触知不能精巣の診断とリンパ嚢腫開放術の2つにすぎないと述べていた。わが国では副腎摘除術もwinnerの有望な候補と考える人が多いが,手術時間がいまだ開放手術より長く,術式の普及状態からみても,clear winnerにはなりきれていないようである。腹腔鏡手術が泌尿器科手術をより大きくかえるimpactを持つためには,例えば腎癌など,より頻度の高い疾患に対して,現在よりはるかに容易な手術手技が開発される必要があろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら