文献詳細
特集 新しい抗生物質と感染症
文献概要
はじめに
1928年のFlemingによるペニシリンの発見以後,数々の抗菌薬(抗生物質は微生物の産生物質であり,これと化学的に合成された合成抗菌剤を合せて抗菌薬と呼ぶ)が次々に開発され,1950年代後半からは毎年のように臨床の場に登場してきた。1940年初めにサルファ剤,’40年後半にはペニシリン薬,'50年に入りストレプトマイシン,クロラムフェニコール,テトラサイクリン薬,マクロライド薬と続き'50年後半にはカナマイシン,'60年に入り耐性ブドウ球菌用ペニシリン薬,広域ペニシリン薬,'65年以降には第1世代セフェム薬,抗緑膿菌アミノグリコシド薬,'70年に入り抗緑膿菌ペニシリン薬,'75年以降にはST合剤,'80年代に入り第2,3世代セフェム薬,'84年にはニューキノロン薬,'87年にはカルバペネム薬,その後'91年にはニューマクロライド薬が登場した。これら抗菌薬が登場する以前には小さな‘とげ’が刺さっただけで運が悪ければ皮下膿瘍をつくり,敗血症で命を落とす時代であった。ところがこれらの抗菌薬の恩恵を受け,感染症で死亡する頻度が劇的に減少すると,医師にも感染症はあまり注目されない分野になっていた。しかし,最近ではAIDSに関連して再び問題となり,感染症の重要性が再認識されてきている。そこで今回はそれらの解説と,現在の抗菌薬の開発状況を簡単に解説したい。
1928年のFlemingによるペニシリンの発見以後,数々の抗菌薬(抗生物質は微生物の産生物質であり,これと化学的に合成された合成抗菌剤を合せて抗菌薬と呼ぶ)が次々に開発され,1950年代後半からは毎年のように臨床の場に登場してきた。1940年初めにサルファ剤,’40年後半にはペニシリン薬,'50年に入りストレプトマイシン,クロラムフェニコール,テトラサイクリン薬,マクロライド薬と続き'50年後半にはカナマイシン,'60年に入り耐性ブドウ球菌用ペニシリン薬,広域ペニシリン薬,'65年以降には第1世代セフェム薬,抗緑膿菌アミノグリコシド薬,'70年に入り抗緑膿菌ペニシリン薬,'75年以降にはST合剤,'80年代に入り第2,3世代セフェム薬,'84年にはニューキノロン薬,'87年にはカルバペネム薬,その後'91年にはニューマクロライド薬が登場した。これら抗菌薬が登場する以前には小さな‘とげ’が刺さっただけで運が悪ければ皮下膿瘍をつくり,敗血症で命を落とす時代であった。ところがこれらの抗菌薬の恩恵を受け,感染症で死亡する頻度が劇的に減少すると,医師にも感染症はあまり注目されない分野になっていた。しかし,最近ではAIDSに関連して再び問題となり,感染症の重要性が再認識されてきている。そこで今回はそれらの解説と,現在の抗菌薬の開発状況を簡単に解説したい。
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