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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻5号

1995年04月発行

特集 新しい抗生物質と感染症

MRSA対策

著者: 品川長夫1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第一外科

ページ範囲:P.300 - P.305

文献概要

はじめに
 本邦におけるMRSA感染症は,第3世代セフェム薬が頻用された時期に一致して増加してきた。しかし,第3世代セフェム薬により普通の黄色ブドウ球菌がMRSAに変化したのではなく,多剤耐性菌であるMRSAを選択したため感染症が増加したのである。欧米では第3世代セフェム薬に関係なくMRSAは問題となってきたごとく,MRSAに対して抗菌力を持たない薬剤の乱用であれば結果は同じであったと想定される。また,抗菌薬の使用量に一致して耐性菌は増加するものであり,なによりも薬剤の使用量すなわち使用期間が問題であったと考えてよい。現在ではアルベカシンやバンコマイシンの登場によりMRSA感染症は治療可能であり,MRSA感染対策も通常の院内感染対策の徹底により達成されるものであるが,抗菌薬の使用法については特に使用期間が長くならないように注意しなければならない。MRSA対策については院内感染対策が重要であり多くの指針が示されているが,ここでは院内感染対策における問題点および抗菌薬の使用法,特に術後感染予防についての問題点を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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